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アートのまちいちはら

突然ですがこちら、何だと思いますか・・・?

田んぼの真ん中に壁、なんだろうと思いますよね。近寄ってみると・・・

よく見るとトランクケースでできています。
こちらは実は現代アート作品。キューバ人アーティストのジョアン・カポーテさんによる作品「Nostalgias」です。

なぜ田んぼの真ん中に現代アート作品が・・・?
市原市では、2014年から3年ごとに大規模芸術祭「いちはらアート✕ミックス」を開催しているほか、芸術祭が開催されていない間も「アートを日常的に感じられるまちづくり」を進めており、市内には現代アート作品やアートスポットが多数点在しています。

2024年3月からは、アーティストの小林武史さんが総合プロデューサーを務める芸術祭を開催します。芸術祭についてはこちらの記事をご覧ください。

この記事では、いつでも鑑賞することのできる作品・アートスポットをご紹介します。

いつでも鑑賞することのできる作品

藤本壮介「里山トイレ」(上総牛久駅)

南いちはらの玄関口である上総牛久駅前に展開されている作品です。
作者は「大阪・関西万博」の会場デザインプロデューサーも務める藤本壮介さん。この作品だけでなく、市内にいくつかの作品を展開しています。
人と自然と建築が溶け合うように小さな複数の建物が木々の間に点在し、里山らしい多様な風景をつくりだしています。

現代アート作品ですが、トイレとしても使用可能です

ジョアン・カポーテ「Nostalgias」(上総川間駅)

冒頭でもご紹介した作品です。
実際に使われていたスーツケースに、レンガが敷き詰められ、ひとつの大きな壁をなしているいます。
移民や旅に着想を得て、ある種のあいまいさを表現しており、鑑賞者に境界や解体された廃墟など、様々なものを想起させる作品です。

スーツケースは全国のアートファンからいただいたもの

藤本壮介「Tree/Toilet」(上総鶴舞駅)

シンプルな家の形の建物が、周囲の自然を引き立てています。
男子トイレには吹抜けがあり、内部に樹木を植栽。女子トイレの窓ガラスは菜の花色に塗装され、花に包まれた空間となっています。

吹き抜けから伸びる樹木が印象的

藤本壮介「Toilet in Nature」(飯給駅)

木々や草花に囲まれた飯給駅にある日本一大きなトイレ。透明のガラスボックスで覆われ、トイレ周囲の景色が一望できます。
公共とプライベート、自然と建築、内部と外部が溶け合う作品です。

「アートのまちいちはら」のはじまりともいえる作品

木村崇人「森ラジオ ステーション×森遊会」(月崎駅)

小湊鐵道で実際に使われていた保線員の詰所小屋を、「人を森に導くための駅」として展開した作品。約60種以上の山野草や苔で覆われ、屋内にあるラジオで森のライブ音を聞くことができます。
維持管理を手伝っているのは地元団体「森遊会」。定期的に作者である木村崇人さんと、作品のメンテナンス作業を実施しています。

人を森に導くための駅 撮影:村上圭一

栗田宏武「田舎暮らし 陽だまりの庭にて」(いちはらクオードの森付近)
里山の自然と共存について考え、人と野生動物、雑木、雑草との闘い、そして老夫婦の陽だまりでの安らぎのひと時の風景をチェーンソー・カービングで制作した作品。朽ちた杉と立ち枯れのヒノキを作品に活用することで、新たな生命を吹き込んでいます。

チェーンソーカービングで新たな命が吹き込まれる

小沢敦志「地熱の扉」(いちはらクオードの森)

市内で集められた多種多様な鉄製品の廃材を集め、それらを素材として制作された大型のオブジェ作品。
何度でも繰り返し溶解でき、再生できる鉄という素材の長所を活かし、第1回の芸術祭以来長期プロジェクトとして取り組まれています。

第1回の芸術祭から作成され、大型のオブジェに 撮影:村上圭一

CLIP「森の入口」(上総大久保駅)

上総大久保駅に隣接する作品。背景には森が広がり、森の中へと誘い出すトンネルを思わせる外観が特徴的なトイレ。
周囲には、小湊鐵道で実際に使われていた線路の枕木も配置され、鉄道との一体感が伺えます。

アートスポット

牛久商店街 牛久リ・デザインプロジェクト

牛久地区の商店街や空き店舗を活用し、アーティストが手がけた作品の展示やワークショップなどのアート活動を行っています。

市原湖畔美術館

高滝湖のほとりにたたずむ、自然豊かな美術館。常設展示のほか、数か月ごとに企画展を開催しています。毎月第4土曜日にはマルシェの開催も。

月出工舎

廃校となった旧月出小学校を舞台に「遊・学・匠・食」の4つのプロジェクトを展開し、みんなでつくる新しいがっこうです。年に数回企画展の開催を予定しているほか、週末は焙煎工房「ヤマドリ珈琲」によるカフェスペースも。

アートのまちづくりに参加しませんか?

アート作品は、アーティストの皆さんだけでなくサポーターの皆さんの力もお借りしながらつくり、守られています。
市原市内ではボランティアサポーター「菜の花プレーヤーズ」の皆さんが活動中。芸術祭の準備や会場運営だけでなく、市内に点在するアート作品の維持管理、月出工舎や上総牛久商店街での日常的なアート活動に携わってくださっています。
どなたでもご参加いただけます!


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